奈良県生駒市の心理カウンセリング「にじいと心理相談室」です。
新年度を迎え、今年も新入社員が多くの職場にやってきます。職場カウンセリングでは、新人の教育や指導についてご相談を承ることがあります。今回は、受けいれる側、指導する側の心得として、コミュニケーションや心理的な側面の指導や支援をご紹介いたします。
お互いに信頼できるコミュニケーションを目指そう
「どんな人かな?」新入社員はもちろんですが、迎える指導側の人も心配や不安はあります。以前とは違うタイプの相手だったり、初めて指導係をする方はドキドキしますよね。
感じられる不安や緊張は、まだわからないことをあれこれ考えすぎてしまい、整理できていないからかもしれません。読んでいただきながらご一緒に整理してみましょう。
1.安心して頼られる先輩ってどんな人?
良い先輩・指導担当になろうと張り切る気もちもあるかもしれません。どんな先輩でいたいか、後輩目線からもふり返りながら、先輩像を確認してみましょう。
・優しそう、穏やかな雰囲気がある
・わかりやすく教えてくれる
・こんな人になりたいと思える長所がある、など
表情がやわらかく笑顔で接してくれる、丁寧に具体的に教えてくれる、自分の夢をしっかり語れるなど、私の経験からもそんな先輩や上司の方は、とても頼りがいがありました。皆さんは、どんな先輩なら安心して頼れるか、まずはイメージを確認してみると、心がけや接し方の注意がわかりやすくなります。
2.指導側の心得
新入社員も研修では心構えや心得を学びますが、指導側も心得ておくとよいポイントをお伝えします。
①思い込みすぎない
「最近はこんな新人が多い」など、相手を先入観で決めつけてしまうと新入社員の良い個性を見落としてしまうかもしれません。また、指導はこうすべきといったやり方にこだわりすぎてしまうと、プレッシャーを感じてしまう新入社員もいます。社内の指導ルールは守ったうえで、個性に合わせた柔軟な指導やコミュニケーションを心がけることが大切です。事前に、自分の苦手なタイプとの接し方を考えておくのもいいかもしれません。
②「する」ではなく「目指す」
良い指導をやろうとしても、思うように進まないことがあります。特に、初めて指導係をする人は、自分を責めてしまい、しんどくなってしまうこともあります。意識してもらいたいことは、完璧な指導をすることよりも、指導後に良かったと思えるよう目指すことです。新人指導は、お互いに理解しながら良いやり方を見つけていけばいいのです。
③焦らず、自分を責めない
前述していますが、うまくいかないことに焦ってしまったり自分を責めてしまうかもしれません。その時、責めるのではなく、見直すことが大切です。自分は指導に向いていない人間と悩まれる方がいますが、向いていないのではなく、やり方が合っていないことに目を向けましょう。用いる言葉が難しいのか、相手への関わり方に強引な点や①の思い込みが入っていないか、確認して別の方法を考えていきましょう。
また、新入社員の指導は指導係だけではありません。上司や他の同僚など、周囲みんなで育てていく意識が大切です。ひとりで抱え込まず、周囲にも指導の助言を求めると新たな気づきがもらえるかもしれません。
3.新入社員への接し方
心得を踏まえて、具体的な接し方を考えてみましょう。
①先輩から自己開示する
自己開示とは「わたしはこんな人です」と相手に伝えることです。相手がよくわからないと誰でも距離や壁を感じます。まずは、先輩から自分を積極的に紹介しましょう。自分の好きなことや苦手なこと、自分の性格はどんなタイプか(積極的、こだわりが強いなど)を伝えてみましょう。紹介の合間で、相手にも好きなことや楽しみなことなど、ポジティブな話題について尋ねてみると、新入社員も話しやすいと思います。
また、仕事の魅力を伝えてあげることは新入社員に大きなモチベーションとなります。将来の夢など、ワクワク期待できそうな話はモチベーションだけでなく、同じ仕事の目標や方向を合わせる効果もあります。新入社員がどんな人材に育ってほしいか期待も伝えながら、そのための指導の説明をすると、理解を深めやすくなります。
②具体的にわかりやすく教える
新入社員は、機器の名前や業界専門用語など不慣れな言葉が多くあります。日頃のメンバーで当たり前に通じることも新入社員にはわかりません。それを何度も尋ねて確認することもあります。中には記憶や学習が苦手なタイプもいるかもしれません。ミスが続く、言ったことが理解できないなど、感じることが多い際は教え方の見直しが必要かもしれません。
・工程を通常より細分化して伝える
・確認のプロセスを増やす
・全体像やその作業がどのような影響があるかを伝えてみる、など
業務作業だけでなく、新入社員には社会人としてのマナーや、社員としての考え方・姿勢を教えてあげることも必要です。直面する相手や状況の中で、どのような振る舞いが大切か、先輩自らが言葉と行動で示すことも理解を深めさせます。
③否定、批判、比較の注意点
間違いを正すことは必要です。ただその指摘や説明は、用いる言葉や頻度、伝え方によって、相手にプレッシャーを与えすぎ、傷つける結果になることがあります。良好な指導コミュニケーションのポイントについてご紹介します。
・感情的(怒り、苛立ち)な表現は避ける
例)机を叩きながら叱る、睨みながら大声で伝える
・ミスは理由を確認し、起こった事実と対処を客観的に説明
例)あなたまた違っているでしょ⇒このやり方は間違い、先にこの作業から始めること
・できないことを批判するだけでなく、できたことを褒める・承認する
例)以前よりも自発的に取り組んでいる姿勢が、すごくいいね
・ダメな点の比較ではなく、似ている良い点や違う点の良さを伝える、など
例)行動力のある人も必要だけど、あなたのように慎重に熟慮して動くことも大切な長所だよ
まとめ
指導する側も緊張や不安はあります。そんな不安を新入社員にまで感じさせないように、どんな先輩でいたいか、指導係になりたいかをイメージし、指導係側も緊張や不安を緩める意識が大切です。言ってはいけない言葉が何かよりも、言ってしまっても、素直に謝る姿勢、他のポジティブを伝えてあげられることができれば、コミュニケーションのトラブルは防げます。また、新入社員指導は担当者ひとりだけでやるものではありません。周囲の同僚や上司が指導係をサポートし、時には一緒に指導することも必要です。
厳しい言葉も、捉え方を変えれば、素晴らしい教訓になります。せっかく巡り会えたご縁、怖がらず、堂々と、自分らしく、柔軟に、素晴らしい人材を育ててまいりましょう。この投稿が指導の参考として役立てれば嬉しいです。
にじいと心理相談室では、職場へのカウンセリングサポートを行っております。今回のような新入社員育成のご相談や、その他職場コミュニケーション・キャリア育成・人材活用など、人材の課題について、社員個人と職場組織の双方へ働きかけながら、働きがいある職場環境に整えるサポートをいたしております。現場スタッフ、人事担当者、経営者様のご不安や具体的な改善をご一緒に考えてまいりますので、お気軽にお問い合わせよりご相談ください。
