奈良県生駒市の心理カウンセリング「にじいと心理相談室」です。
生駒市手話サークル『ハーブ』様よりご依頼いただき、コミュニケーション講座を開催させていただきました。『ハーブ』様では、健聴者(聴こえる人)とろう者(聞こえない人)の方々が、手話を主として、お互いのコミュニケーションについて、実践的に学び合われている手話サークルです。
自分のコミュニケーションを確認しよう
今回「自分のコミュニケーションを確認しよう」というテーマで、下記のような内容について、ワークも交えながら、講義を行わせていただきました。
・コミュニケーションとは?
・ことばのキャッチボール
・より良いコミュニケーションに必要な3つのチカラ、など
コミュニケーションの基本的なことや、必要なこと、大切なポイントなど、お話しさせていただきました。職場や家庭など、ご自身の日常のコミュニケーションをふり返っていただき、どんな課題があるか、適切なコミュニケーションはどうすればいいかなど、実践ワークもしていただきながら、ご一緒に考えていただきました。
ろう者の方が感じてこられた職場のコミュニケーション
講習の中で、職場のコミュニケーションについて、ろう者の方から、ご自身の体験をお聴きする場面がありました。聴覚障がい者を初めて受け入れた職場や、他にもろう者がいた職場など、お勤めされてきた中でご苦労されたことは、やはり健聴者とのコミュニケーションツールの問題だそうです。
手話は周りが使えないため、筆談が主なコミュニケーションの方法だったそうです。筆談を積極的に活用して指導してもらえたことで作業が覚えられたという、良かったエピソードもあれば、その逆に、筆談をしてもらえず、ずっとモヤモヤしたり、辛いご経験をされたエピソードもありました。
お話しをお聴きして、私が感じたことは、コミュニケーションには、わかり合いたいと思う意識がとても大切だということです。
筆談というツールを活用しない健聴者の方は、そもそも、ろう者の方とコミュニケーションをとる意識、わかり合いたいと思う意識が欠けていたのではないかなと思います。さらに考えると、コミュニケーションをとる目的について、理解が欠けていらっしゃったのではないかとも思います。
職場のコミュニケーションの目的の大部分は、円滑な仕事の遂行だと思います。だから、ろう者の方は、筆談というお互いにわかり合えるツールを活用しようとされていたわけで、決して、ご自身ができる手話しか用いないわけではなかったはずです。それは、わかりたい、わかり合いたいと強く意識されていたから。
これは、健聴者同士でも同じように思います。お互いに、目的に向かってコミュニケーションをとるはずが、自分とは異なる方法や異なる価値観など、受けいれられず、相手を拒んだり、否定や批判するようなことが、様々な場面で起きているように感じます。
コミュニケーションは相互理解(一方的にならない)
講義の中でもお話しさせていただいたのですが、何を言うか・どうやって聴くかはコミュニケーションに必要なことですが、その前に、相手をわかりたい、わかってもらいたいという理解や認める意識が、前提として大切に思います。
受講者のご感想・ご意見
受講後のアンケートより、頂いた言葉を一部ご紹介させていただきます。
・「聴く」と「聞く」の違いがよくわかりました。
・近い関係(家族など)こそ、良いコミュニケーションができたらいいなと思いました。
・相手が受け取ってもらえているか、伝わっているか、自分のコミュニケーションを確認したい。
・1回の講座では身につかないので、訓練が必要だと感じました。
・わかっているようでも、改めて学べて大変ためになりました。今後に役立てたい。
・必要なチカラなど、今後は意識してやっていきたい。
・イライラしていたが、自分に原因があるとわかりました。改善してみようと思います。
など。
皆さん、講義をメモされる様子や、ワークで実践的に取り組まれる様子から、コミュニケーションについて、積極的に考えてくださる姿勢をとても感じさせていただきました。普段は特に意識しないことも、改めて考えてみると、それぞれ気づいていただくこともあり、有意義な時間にしていただけたのであれば嬉しく思います。
おわりに
今回、参加いただいた方々は幅広い年齢の方々のため、講義が一般的すぎると退屈されないか、心に関する話の表現がろう者の方に伝わるか、事前準備をしながら心配もありましたが、皆さん関心を持ってお越しいただけたことや、サークルメンバーの方がお二人、手話通訳を担ってくださり、わかりやすくろう者にもお伝えいただけ、スムーズに進行させていただけました。
健聴者・ろう者関係なく、コミュニケーションの不足やズレによる問題が、昨今は社会的にも取り上げられます。改めて、
①何のためにコミュニケーションが必要なのか
②問題点は言語表現だけなのか(何を言ったか、何を聞いていたかだけなのか)
③自分自身のコミュニケーション課題はないのか
今回の講座をきっかけに、みんなで意見を交わしながら、各自、各家庭や職場、地域や社会で、見直していけるといいなと思います。
生駒市手話サークル『ハーブ』様、貴重な機会をありがとうございました!
※手話サークルハーブ様のご紹介YouTube
