にじいと心理相談室 奈良

    • 2025年4月9日
    • 心の豆知識

緊張しない方法

 面接や試験、プレゼンテーション、自己紹介など、緊張する場面はいろいろありますよね。緊張すると、汗ばんだり、震えたり、体が硬くなるなど、心の中だけでなく体にも影響が出てしまいます。できれば、緊張せず、落ち着いて乗り越えたいですよね。今回は緊張しない方法、緊張しても緩める方法について心の側面からご紹介させていただきます。

1.なんで緊張するの?

 そもそも、どうして緊張するのでしょうか。

1)緊張しやすい場面

 緊張しやすい場面を考えてみましょう。

①失敗しては困る場面(面接、スピーチ、試合など)
②初めての場面(初対面の人と会う、初めてスキューバダイビングをするなど)
③多数の人から注目される場面(入社式、結婚式、競技大会など)
④好き(or 苦手)な特定の人と接する場面
⑤漠然とわからないことへ対するとき(これからの新生活など)

 それぞれの場面で共通することはこれから起こる未来への心配(予期不安)です。人はわからないこと、見えない先へ不安を抱きます。この不安の仕組みについて、考えてみましょう。

2)心(頭)や体の中で起こること

 未来への心配、不安を感じる、このとき、心(頭)の中では何が起こっているのでしょうか?
 わからないことに対して、人は想像します。このとき、無意識に良い結果よりも悪い結果を想像していることがあります。何か悪いことがあると思うことで、心配や不安で心が不安定になるのですが、これはダメなことではなく、生物として自然な防御機能、危険察知、危機管理とも言えます。自然界では敵と会う(=悪いこと)と、生命を脅かされるので、少しでも早く体の体制を整える必要があります。
 悪い結果を想像すると、体の中では、生命を守るための動き(備え)が始まります。敵から逃げる or 闘うことに備え、すぐに動けるよう体全体に急いで血を流す、そのために心臓は早く動き出します。緊張してドキドキすることや、体温が上がり顔が赤くなる、汗をかくなどは、このような生物の防御機能のひとつと言えます。そう考えると、緊張は生物として必要な機能といえます。

2.緊張しないためにはどうすればいいの?

 生物として必要な機能ではありますが、私たちの生活にある緊張場面は、生命を脅かすほどのものではないので、震える、喉がカラカラになるなど、緊張の多くは余計な機能となってしまい、困ることもあります。なるべく緊張しないためには、悪い結果の想像を「生命の危険レベルではないよ、だいじょうぶ」と、心と体に伝えてあげる必要があります。
 一般的によく耳にする方法の多くは、体の緊張を緩める方法です。呼吸を整えたり、腕や肩を回すなど、軽く体を動かすことで筋肉を緩めるなど、多くのリラックス方法があります。体の緊張を緩める方法については、私のリラックス方法について後ほどお伝えさせていただきますので、ここでは心の緊張を緩める方法をご紹介します。

1)頭の中の悪い想像を見える化してみる

 漠然としたわからないことへの不安を、紙に書き出してみましょう。例えば、どんな失敗や問題を起こしそうなのか、そのせいでどんなことが起こるのか、頭に浮かぶいろいろなシチュエーションをひとつずつアウトプットしてあげることで、思考の整理や客観視することができ、不安が広がりにくくなります。また、家族や友人など、時間があれば誰かに見てもらうと、より具体化できることもあり、アドバイスももらえて安心につながりやすくなります。

2)緊張の言葉を置き換える

 緊張しやすいタイプの方は、捉え方のクセをもっていることがあります。緊張する場面のとき、心の中で呟いている言葉はどんなものがあるでしょうか?
・絶対に失敗してはいけない、するわけにはいかない
・失敗すると他者に迷惑がかかる
・失敗すると、またやり直さなければいけない
・失敗するともう次の機会はきっとない、など

 失敗は誰でもしたくないですよね。ところが、「したくない」の言葉が「してはいけない」と、失敗への捉え方が無意識にきつく強まっていることがあります。こんなときは、失敗に対する角度を変えてみるといいかもしれません。例えば、失敗のイメージとは逆に、成功のイメージを強めてみる。
・これだけやってきた、成功するにちがいない
・みんなも一緒に応援してくれる、きっとうまくいく
・100点じゃなくてもだいじょうぶ、やってみることですでに80点、など
 失敗しないと思うのではなく、成功すると捉えなおす。失敗の言葉を置き換えるだけで、すでに意識の視点は動かせています。成功したら嬉しいな、楽しいだろうなと、胸に手を当てながらポジティブな感情の言葉を声に出してみることも、聴覚や触覚から意識づけの効果があるのでお試しください。

3)緊張しやすい自分の傾向を知る

 緊張しやすくなるご自身の考え方や受けとめ方のクセ、当てはまるものはありますか?
・完全、完璧、正解を求めやすい、うまくやろうとする
・責任を感じやすい
・こだわりが強い、~であるべき、~じゃないとダメ
・相手や周囲の評価を気にしやすい
・相手は~な人と決めつけやすい、など
 このようなクセは誰にでもあるものです。ただ、強くなりすぎたり、多く感じやすくなると、危険レベルを無意識に高めてしまい、緊張が起こりやすくなります。普段から、緩める心がけをすることで緊張度合を軽減していくことができます。例えば、「きっと~だ」と思うことを、「もしかすると~かもしれない」と言い換える練習を続けると、決めつけや完璧主義などのクセを緩めることにつながります。

3.緊張してしまったらどうすればいいの?

 当日本番、それでも緊張が起こったときは、体の緊張を緩めることをおすすめします。今回は、私がやっている緩め方をご紹介いたします。
・首や肩をゆっくり回す(体のチカラを抜くイメージで腕はぶらんとする)
・手をグーパー、グーパーと数回ゆっくり開いて閉じてを繰り返す
・温かい飲み物を飲む、持つ(カップなど手に温もりを感じ、体を通る温もりを感じる)
・サザエさんのエンディングをこっそり口ずさむ(楽しくお家に帰るイメージまで)
・好きな言葉集を声に出して読む(日頃から記事や歌詞など気に入った言葉を集めておきます)
 他にも、そばに誰かいるときは話すことでリラックスできることもよくあります。窓の外や飾られた花など自然を見る、好きな写真をその日の待ち受け画面にしておくなど、緊張に備えるオリジナルルーティンを持っておくといいですね。

 それでも、本番の最中、失敗などやらかしてしまったときは、一休さんです。「あわてな~い、あわてない」と深呼吸をひとつして、体制を整え直せば大丈夫です。目の前や周りにいる人々を信じてみましょう。自分が思う以上に、優しい温かい人たちはこの世界には大勢います。自分を信じ、相手を信じる心が、最後は一番の緊張を和らげるお薬になってくれます。

 今回は緊張について、ご紹介いたしました。良い緊張感は、集中力を高めたり、自分を信じるチカラを強めてくれます。緊張は悪いことではなく、ご自身の傾向、心のクセを知って、緩め方などコントロールできれば、良い緊張感へ変えていきましょう。

緊張を緩めて落ち着く女性

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