奈良県生駒市の職場メンタルサポート・心理カウンセリングにじいと心理相談室です。
メンタル不調(適応障害やうつ病など)によって働けなくなり、休職の不安についてご相談を伺うことがあります。休職するとどうなるんだろう、このままずっと働けなくなるのでは・・と、心配ですよね。私も以前、職場で突然倒れてしまい、メンタル不調で休職療養した経験があります。
安心しながらしっかり療養し、少しでもスムーズに復職するため、メンタル不調による休職の過ごし方について、私自身の経験も含め、ご紹介いたします。
安心して療養する休職の過ごし方
1.休職するとどうなるの?
1)いつまで休まないといけないの?
メンタル不調では、複数の疾患がある場合や、性格傾向(捉え方や感じ方のクセ)と環境が要因となることもあり、個々によって異なります。
これまで人事担当やカウンセラーとして関わった中では適応障害、うつ病による休職が多く、2週間~1か月の診断が初回提出されています。2週間で復職できる方もいらっしゃいますが、大半は延長で3か月~1年休職されるケースを多く見受けます。また、休職時に必要なことは社内制度の確認です。有休休暇や休職期間満了など、いつまで在籍でいれるのか、復職までの過程や条件など就業規則で確認しておきましょう。
私の場合、社交不安症の診断でした。休職の診断は初め1か月だったと思いますが、そこで回復できず延長となり、最終的に約半年休職後、会社と相談の上、休職期間満了によって退職させていただきました。
2)お金はどうなるの?
お給料がなくなることで、生活への心配をされる方もいらっしゃいます。家賃や食生活費、家族の扶養などそれぞれの不安があります。職場や公的機関の制度を確認されることをおすすめします。
①職場の制度
前述でも社内制度の確認をお伝えしていますが、休職期間の前半を有給休暇扱いの場合、給料は払われます。また、職場によっては一定期間の休職の場合、条件によってお見舞金をいただけることもあります。他にも、企業団体保険や社員貸付制度など福利厚生として会社からお金を借りれたり、会社が掛けている保険から一部支払われるものもあるので、自分の職場にどんな制度があるか、人事担当者などに相談してみましょう。
②行政の制度
傷病により賃金が支払われない場合、健康保険(組合・協会けんぽ)から支払われる傷病手当金があります。標準報酬日額の3分の2、通算1年6ヶ月まで支給される制度です。(支給までに3日間の待期期間があります)これは、休職して退職後も任意継続で健康保険に加入していれば受給可能で、私も離職後受給させていただき、とても助かったありがたい制度です。※参考:傷病手当金(協会けんぽ)
また、業務上による労働災害として認められると労災保険から休業補償給付を受けることができます。条件として、①業務上の原因となる強い心理的負荷(長時間労働やいじめ、ハラスメントなど)が原因、②労働不能、③無給の場合、労働災害として認められるケースがあります。こちらも傷病手当金同様に待期期間が3日あり、休業4日目から支払われます。傷病手当金と異なり、条件を満たす限り支給期間の上限は設けられていません。ただし、状態が長期化や固定する場合、別の給付(障害補償給付など)に変わることがあります。※参考:労働災害が発生した場合(厚生労働省)
なかなか治らない(症状固定)場合、長期化すると休職し続けることができないため離職となります。離職後も働けないときは、障害認定を受け障害年金の受給や生活保護も含め補償制度を考えることもできますので、地域の市役所や精神保健福祉センターなどに相談してください。経済的相談だけでなく今後の転職支援などさまざまなサポートがあります。参考:全国の精神保健福祉センター(厚生労働省)
3)どんなふうに復職できるの?
休職期間が近づくと、職場から今後の相談が行われることがあります。また、自分からも医師と相談の上、復職希望を伝えることもできます。職場によっては復職支援制度を整備されていることもあるので、人事担当者に確認してみましょう。
当相談室の復職カウンセリングのポイントは次の4点です。
①休職者の生活・体調の安定度(医師の診断など)
②復職への意欲、働くイメージ
③周囲のサポート体制
④職場状況の確認
ご一緒に確認し、安心しながらスムーズに職場復帰していただけるようサポートしております。
メンタル不調は、様々な要因で発症します。個人の傾向(性格特性)や人間関係、従事する業務内容など、同じ病名でも個々に症状の程度や生活環境も異なるため、復職や離職の判断は丁寧に考えることをおすすめします。独断で決めてしまう前に、家族や職場、医師やカウンセラーなど周りの人の意見も踏まえて考えましょう。特に、うつなどの症状があるうちに、離職や転職することは新たなストレスを抱え、悪化するリスクにもなります。周囲にも相談して考えるようにしましょう。
4)どんなふうに過ごせばいいの?
①薬は勝手にやめない
症状によって、様々なお薬が処方される場合があります。睡眠薬、抗うつ薬、胃薬など知らない薬を飲むことは、副作用や依存への抵抗感・不安を感じる方もいらっしゃいます。また、精神疾患の薬は効果が出るまでに2週間以上かかるものもあります。心配な際は、専門資格をもつ医師や薬剤師に必ず相談しましょう。
私は休職時、睡眠導入剤や抗うつ薬の処方をいただきました。倦怠感や焦燥感、ずっと仕事が気になることが休職開始頃は2~3週間続き、薬の効果もあまり実感していませんでしたが、ひと月過ぎた頃から夜中の中途覚醒がなくなったり、体も少し楽になりだしました。服用量は3か月経過時から減り種類も軽いものとなり、半年後にはもしもの時だけの頓服薬になりましたが、それも服用することなく、ひと月~ふた月に1度の定期通院を行い、診断から1年後通院終了となりました。
②生活を整える
心の治療の前にまずは体を整えることが大切と私は考えます。睡眠、食事、運動など、体を回復させ以前のような生活ができるようになることが復職を考えるためにも必須です。無理に食べたり体を動かすのではなく、やってみたいこと、できそうなことから少しずつ始めてみましょう。薬の影響もある場合は医師に相談してみましょう。
※当相談室では生活記録など活用し生活を整えるサポートをいたしております
私が休職中は、ひと月ほどは日中体を横に休めることが多く、食欲もありませんでしたが、食事は家族が用意してくれ、服薬のためにもなるべく食べるようにしていました。2ケ月後から、徐々に体が楽になり、家族に合わせて起床したり近所を散歩する、好きな本を読むなど関心が持てることをしながら少しずつ生活リズムを整えていきました。
③気もちが楽な状態を心がける
少しずつ体が楽になると、頑張ってしまう人もいますが、気もちが上がることの前に気もちが楽になることを意識して見つけていきましょう。五感を意識するもの(見る・聞く・味わう・香る・触れる)がおすすめです。落ち着いた音楽、温かいもの、安心する色など、自分の心の状態と向き合い確認しながら、心を調えていきます。
私の場合、初夏から年末にかけて休職だったため、外気にあたり気温を感じることや、外出時や室内で休む時も窓を開け外の音を聴くようにしていると、今その瞬間に集中できたり、過去の季節ごとの思い出をふり返り気もちを落ち着ける時間を大切にしていました。
④アウトプットする
心が安定していくとモチベーションも出てくる反面、逆に、焦りや虚しさなど苦しい心も出てくることがあります。そんなネガティブに感じる気もちは我慢するのではなく、誰かに伝えて聴いてもらったり、日記に書き出すなどアウトプットを心がけましょう。特に、誰かにわかってもらうことで安心感や肯定感を感じやすくなり、ポジティブな心の状態に戻りやすくなります。家族や友人、カウンセラーなど安心して話せる人を見つけておくと復職時や復職後のサポーターにもなってもらえます。
私は少しずつ回復しはじめた2~3か月ごろから、その瞬間を書き留める簡単な日記をつけていました。好きなキャラクターを横に描いてみたり、自分の今感じる気もちを綴ってみることで不安を頭で考えず、客観的に受けとめていけるようになりました。また、子どもたちなど家族の話を聴きながら、元気や笑顔をもらえることで一緒に行きたい場所などポジティブな気もちになれたり、自責感や自己嫌悪について話を聴いてもらうと「ゆっくりでいいんちゃう、今までが走りすぎてたんやから」と、自分を肯定しながら焦らず療養しながら心を調えていけました。
⑤自分と向き合う(自己理解)
体や心が安定していく中で、この休職期間を自分について考えるための節目の時間にすることをおすすめします。
自分にとって何が大切なのか、自分には何があるのか、自分はどんな人生を歩みたいかなど、これまでゆっくり考えたことのない自分について、考えてみましょう。過去をふり返ったり、未来を想像して今の自分に結び付けてみると、新しい自分を見つけたり、周囲の人について違う視点を持てるようになります。
自分を理解することは、今後の働き方や生き方について、課題と乗り越えるヒントを見つけること。復職への具体的イメージ(行動の工夫、コミュニケーションの改善など)が持て、スムーズな復職につながります。
※当相談室のカウンセリングもご自身を見つけてもらい、今よりも楽な未来をご一緒に探させていただきます。
私も休職4か月ごろから、自分のこれまでをふり返りながら、今後の生き方・働き方を考えていきました。自分がこれまで何に価値や喜びを感じたか、今後何を大切にしていきたいかと向き合いながら、関心のある勉強をしたり、必要なことを調べてみたり、あの時間があったことが、今、心身を安定しながら日々を過ごせています。
5)周りの人の関わり方
休職中のメンタル不調者に、どう周りは関わればいいのか、どんな関わり方が効果的か考えてみました。
①家族
いちばん身近なサポーターとして関わってあげましょう。まずは前述している「薬の服用」や「生活を整える」ことをサポートしてあげてください。状態に合わせてコミュニケーションを増やし、安心のサポートをしていきましょう。
・服用の確認(体調の変化など)
・生活リズムを体調に合わせて一緒に考える
・声掛け、会話(気もちを聴いてあげる、労う言葉を伝える)
・通院の同伴、など
会話は体調に合わせて、声掛けだけや短い時間でも大丈夫です。大切なことは、ひとりじゃないと感じてもらうこと。一緒に乗り越える姿勢や、思いやる気もちを感じてもらえるよう伝える言葉や態度が大切です。
通院の同伴は、個人によって医師の話が理解しづらかったり、医師に心配事を伝えることができない場合もあるので、代わりに医師とのコミュニケーションを行うことや、回復のためのアドバイスをもらうためにも本人と相談して行うといいと思います。
ただ、身近な家族だからこそ負担感や不満も多くなることがあります。本人の次に家族までメンタル不調になったり、家庭内のコミュニケーショントラブルになる可能性もあるため、できること、してあげたいことをやるだけで大丈夫です。不安や負担感がある場合は、頑張りすぎず、主治医への相談や地域の相談窓口、心理カウセンリングなど専門家や周囲のサポートも活用しましょう。
※当相談室ではご家族のカウンセリングもご本人とご一緒に受けていただけます
②友人
友人や同僚など、親しい人や仲間の休職に心配な気もちや寄り添いたい想いがあるときは伝えてあげて大丈夫です。配慮は必要ですが、寄り添い支えてくれる存在がいることをわかってもらえると、安心感につながりやすくなります。
・メールやLINEなどメッセージ
・直接お見舞いに行く、電話をするなど(事前に確認する)
・頻度は相手に合わせる(ひと月に1回、2週間に1回など)
・会う時間やメッセージの文は短めにする
休職開始直後は本人の負担が大きいこともあるため、頻度や連絡の時間帯は配慮する(毎日は行わない、午前中は避けるなど)といいでしょう。状態によって、携帯を見ることが辛いケースもあるので、返信や既読がなかったとしても心配しすぎずゆっくり待ってあげてください。
ただ、本人から頻繁に連絡があるなど対応に困る際は、連絡を減らし距離をとるなど、負担感を持ちすぎないようにしましょう。状態によっては、本人にカウンセリングや受診など専門家への相談をすすめてあげてください。
③職場
職場内に休職復職プログラムがあれば原則その流れや留意点に沿って関わることになります。
制度がない場合、休職中のやりとりについて本人と相談します。
・休職制度、復職時の条件など説明
・定期的な連絡、提出(休職中の各種補償手続き、本人からの様子報告の可否など)
・復職判断検討(産業医や人事担当者など)
・復職後のサポート
原則、休職中に職場からの連絡は負荷をかける恐れもあるので、最低限にとどめます。本人の希望も尊重し、プログラム内容などは産業医だけでなく、主治医にも相談確認してもらうといいです。
私の経験では、本人の希望を受け、人事担当者として通院時同伴して休職相談を一緒に受けたこともあります。ただ、個々の対応をどこまで行うか、担当者の負担もあるため、職場の方針は明確にしておきましょう。
※当相談室では委託カウンセラーとして職場や事例に合わせた提案、サポートをさせていただきます
まとめ
メンタル不調は誰にでも起こりうるものです。不調により、休職することで不安や心配はもちろんですが、家族や職場など周囲への申し訳なさ、自分の不甲斐なさに自責感、自己嫌悪、自己否定などますます心の状態が落ち込んでしまい、結果、他の疾病を併発したり、療養が長引いてしまうことが起こります。
適切な療養を行うこと、周囲が理解しサポートすることは、回復やスムーズな復職、復職後の安定につながります。
私自身、突然メンタル不調となり、当初は「まさか自分が・・」とショックが大きかったことを今でも鮮明に思い出します。ただ、それゆえに体の変調(睡眠障害、体重減少、強い焦燥感など)にも自分では気づけず、家族や友人に心配されても気に留めず、働き続けキャパオーバーとなったことを主治医からも伝えられました。
主治医のアドバイスと投薬、家族や友人、同僚などのサポートのおかげで、自分と向きあえ、また働けるようになりました。
今はカウンセラーとして、休職者やそのご家族、職場の担当者様の、それぞれの実情を理解し受けとめながら、より良い復職と再発防止に向けてサポートさせていただいております。
休職から復職にかけて、ご不安な心がある際は、職場として個人として、カウンセリングも活用いただければと思います。休職復職サポートに関する詳しいご相談は直接お問合せください。それぞれに合わせたご説明、ご提案をさせていただきます。
