にじいと心理相談室 奈良

    • 2025年7月9日
    • 相談事例
    • 夫婦

夫婦の悩み②許せない気もち

 怒りがおさまる時間は6秒、アンガーマネジメントなど一般的に言われていますが、翌日になってもブツブツ言い続けたり、思い出すと眠れないなど、特にカップルカウンセリングのお話しの中では、そのような状態が続いていらっしゃるケースが多くあります。今回は、承った複数のご相談事例から、浮気など相手を許せない気もちについてご紹介させていただきます。
 ※守秘義務より、実例をそのままご紹介することはいたしておりません。

ケース②夫の浮気が許せない

◎ご相談者様:お子様(小学生)がいらっしゃるご夫婦
◎ご相談内容:夫の浮気が1年前に発覚してから夫婦関係が良くない
・夫は女性とは別れているが、妻は信じることができない
・離婚も話し合ったが、子どものことを考え夫婦関係を続けることを選択
・ケンカや言い合いではなく、普通に会話しあえるようになりたい

1.カウンセリングの流れ

 カップルカウンセリングは、おひとりずつ個別のお時間と、おふたりご一緒にワークも含めたお時間でお聴きしながら、次のような流れで進めさせていただいております。※実際はケースごとに対応致しておりますので、回数など、ご相談しながら進めさせていただきます。

1)事実の整理

 語っていただいた出来事について、事実を整理していきます。
・あった出来事
・出来事の背景、経緯など

 なるべく時系列に明確化してみると、「その話はこれより前にあったことじゃないの?」など、流れがお互いに異なって捉えていることがいくつか出てくることもよくあります。出来事を整理することで、正確性だけでなく、解釈の違いがあることに気づいていただきながら、思い込みや自分側に良いように捉えていることを見つけていきます。

2)行動と気もちのつながりを確認

 出来事を整理する中で、お互いに自分がとった行動をふり返る時間が訪れます。
・夫⇒女性に自分から連絡をした、お金を渡したなど
・妻⇒夫の携帯を確認するようになった、帰宅が遅い日を記録するようになったなど

 今回のように、一方が悪いとされるようなご相談では、悪いとされる方(今回はご主人)の行動が多く語られますが、丁寧にお聴きしていくと、奥様の行動の変化も見えてきます。中でも多いのは、疑いがどんどん強まることで、初めは疑いを晴らすためにしていた確認行動が、疑いであることに違いないと確信するための行動に変わっていくなど。

 行動の裏には、その理由にもなる感情(気もち)が存在します。
相手の女性へ、つい自分から連絡をしてしまうご主人の気もちは、「癒されたい・許されたい・受けとめられたい気もち」があったり、疑う妻の行動の裏にある気もちは、「許せない・耐えられない・腹立たしい・忌々しいなどの気もち」が膨れ上がっていることがあります。

 それぞれの気もちが見えると、夫は「妻や他者に求める気もちが多い」けれど、妻は逆で、「求める夫を受けとめられない拒絶の気もちが強い」、その悪循環が、女性問題が終わったあとでも続いている状態が見えてきました。

3)許せない気もちはどうすればいいか?(楽になるために必要なものを見つける)

 カウセンリングが進んでいくと、それぞれ相手の行動に対し感じていたしんどさから、自分に対するしんどさがあることに気づかれることがあります。カウンセリングでは、この自分自身から湧き上がる苦しい思いから解放されることで、心が少しずつ軽く楽になってもらうことを目指します。今回の事例からは、奥様の最も苦しい気もち(許せない気もち)をご紹介いたします。

 夫の浮気が許せないことで、問題の出来事(浮気)がなくなった今でも、しんどさが続いている。どんなに謝られても、関係性が終わったとわかっていても、許せない。そう語る奥様から「どうすれば許せるんでしょうか」と尋ねられたため、「許せると楽になりますか?」という側面から、許せない気もちの意味をご一緒に考えていただきました。

許せないってどういうこと?
・受け容れられない
・許されない(非常識、禁じられた行為)
・認められない
・目をつぶれない(大目に見れない)
・忌々しい
・腹立たしい、など

 ここに挙げたものは、言葉を言い換えて考えていただいたときに、奥様から出てきたものです。
 並べてみると、奥様の考え方や本音が少しずつ見えてきました。例えば、

許されない:あり得ない、非常識で許してはいけないものである捉え方
⇒認めてはいけない、許してはいけないという強い認識、許すと負け

 話をお聴きしていくと、
 「わたしはこんなに家事も育児も仕事もやっているのに、夫だけ自由勝手でずるい」
と、実は、妬みや羨ましさも隠れていて、そこから腹立たしさや忌々しさがきているかもしれないとのことでした。

 許せない気もちの中には、許すと負けだという勝ち負けの捉え方、非常識と捉える価値観や、妬みや羨ましさなど自分でも認めたくない気もちが混ざっていることが見えてきました。
改めて奥様に整理していただくと、
・浮気の行動はやってはいけない許されない行動であること
・夫がやってしまった理由は当時の背景や心境から少しは理解できること
・妻自身も認められたい、自由にさせてもらいたい気もちがあること
など、頭(考え方)と心(気もち)の両面から考えていただけました。

「どうすれば許せるんでしょうか?」の答えを、最後に奥様はご自身で、次のように見つけられました。

許す or 許さないではない。夫が、浮気はどれだけ自分たち家族を傷つけるダメなことか理解できていること。私にも求めているもの(自由な時間、聴いてくれる相手など)があることをわかってもらうこと。それがあれば、今よりも楽になれるように思う。

2.終結

 おふたりはこれまで、家庭の会話は、その日の子どもの出来事や愚痴くらいだったそうですが、なるべく状況に加え、その時の気もちや考えを伝えあう時間をつくることで、少しずつ歩み寄る道を選ばれました。

 「カウセンリングで、考え方や気もちの見つけ方を教わったので、ふたりで頑張ってみます!それを続けた先に、いつのまにか、なんか許せてたらいいかなって思います」と、最後に奥様から言葉をいただきました。

 許す/許せない、たったひと言の中には、様々な気もちや考え方が詰まっています。それに気づくことは容易でない場合がありますが、丁寧に自分で見つけていくことができたとき、必ず新たなご自身に出会われ、どこか楽に、晴れやかになったお顔にお会いできます。許してもいいし、許さなくてもいい、大切なことは、今感じる苦しみから解放され楽になるために、どうお互いに向き合うかということ。答えは皆さんおひとりずつ異なりますが、ご相談者様の言葉で伝えていただけたとき、改めて、何が大切かをカウンセラーの私も、毎回、教えていただけております。

 今回の事例のご紹介が、同じような苦しみを感じている方に、心を少しでも楽にするお役に立てれば、嬉しく思います。

夏空の下を仲良く歩く夫婦と子供たち

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