にじいと心理相談室 奈良

    • 2026年8月6日
    • 心の豆知識
    • 職場, 夫婦, 子育て

怒っている人との関わり方

奈良県生駒市の職場メンタルサポート・心理カウンセリングにじいと心理相談室です。
怒っている相手が家族や仲間、仕事関係であれば関わらないわけにはいかないことがあります。
怒っている人との関わり方、対応方法についてご一緒に考えてみましょう。

怒っている人を理解する

1.怒りの仕組み

1)脳(体)の状態

怒りや不安などネガティブな感情は脳にある『扁桃体』で起こります。そして、ここで危険(怒り)と認識されると、脳(大脳辺縁系)全体に信号が広がり、腎臓の上にある副腎(髄質)からアドレナリン・ノルアドレナリンを分泌させ攻撃モード(心拍数や血圧をあげるなど)になります。

2)気分(心)の状態

怒りはとてもわかりやすい感情に思えますが、実は怒りのもとになる本当の感情(根っこの気もち)が心の中では隠れています。根っこの気もち(さみしい、悲しい、悔しいなど)が一次感情、そして怒りは二次感情と考えられます。この一次感情は、怒りが強くなると本人でも気づけないこともあります。怒りは周囲へ伝わりやすいですが、根っこの気もちは怒りに隠れているため伝わりにくく、そのことがますます怒りを強めてしまう悪循環が生まれやすくなります。

3)思考(頭)の状態

上記1)、2)の状態は、『捉え方(思考)』が大きな要因と考えられます。自身の「当たり前・常識・正義」といった価値観にそぐわない、矛盾する、否定された=敵と捉えることで、脳に危険信号が広がり攻撃態勢となる、不快な根っこの気もち、怒りの情動が起こる。
怒りの場面ではきっかけはひとつの事柄かもしれませんが、本人には価値観など思考に対するもっと広い捉え方となり、相手や周囲には何に怒っているのか根本的な点が理解しにくいかもしれません。
例えば、待ち時間が長いことに腹を立てるように見えてもその怒りの奥には、そもそも「サービスとはこうあるべき、だから待たせること自体が不親切である」「10分を超えると非常識である」などといったサービスの価値観や、待ち時間の基準が異なり、その価値観を否定されているように捉えてしまうことで嫌悪感や不快、悔しさなどから怒りが起こると考えられます。

2.関わり方のポイント

怒っている人の多くは攻撃的な態度や相手への否定的な言葉が見受けられやすいです。いきなりであれば驚いて怖くなるかと思いますが、まずは落ち着いて関わることが大切です。

1)状況・状態の確認

攻撃的な態度も場合によっては、危険な状況につながる可能性があります。周囲に人がいるか、危害を与えるものがあるかなど、状況を確認しましょう。また、怒っている人の様子を確認することで、怒りの程度を客観的に考えることができます。自分では受けとめきれないときは、他者に援助を求めることが必要です。

2)言い分の整理

「何/いつ/どこ/誰/なぜ」と怒っている人が何を理解してほしいと訴えているのか、まずは言い分について聞きながら整理します。特に「なぜ」の部分は、思考(価値観)の理解につながりやすくなるので、丁寧に確認してみましょう。どんな考え方、捉え方があるのかを知ること理解することが、怒りを鎮めることにつながります。
※この時、それが正しいかどうか、良いか悪いかのジャッジはせず、事実ベースだけを受けとめましょう。

3)気分の受けとめ

腹立たしさ、苛立ちなど怒りを受けとめることはもちろんですが、言い分を聞く中でわかってもらえない悔しさや悲しさ、焦り、気づいてもらえないさみしさや無力感など、様々な気もちが渦巻く様子が感じられるかもしれません。価値観が理解されないとどんな気もちになるか想像しながら聞くことで、二次感情の怒りから一次感情(根っこの気もち)への気づきへと気分が移っていきます。

3.具体的な関わり方(対処行動)

1)怒りで返さない

怒りの攻撃が向けられると当然ながらこちらも防御機能から怒りが沸いてきたり、不安で萎縮することが起こります。そのためにも、ポイントで書きましたが、まずは落ち着くことが大切です。呼吸を整えたり、少しだけ目を閉じるなど、怒りに備える体制を整えます。特に、怒りや苛立ちで返してしまうと、新たな怒りのきっかけを相手に与えてしまうので避けましょう。

2)しっかり話をさせる

怒っている人の状態を確認すると、話がワーッと出てくることが多くあります。相手の価値観などこちらの捉え方として受け容れにくいこともあると、つい言い返してしまいたくなりますが、どんな正論でも怒りの前では否定にしか聞こえません。まずはしっかり話を聞いてあげましょう。その姿勢だけで怒りがおさまることも多くあります。

3)要約する(話を整理して伝え返す)

言い分を整理して伝え返すと、受けとめてもらえたと相手も感じやすくなります。また、こちらの感想(相手がどのように見えているかなど)を客観的に伝えると相手にも怒りや根っこの気もちに気づいてもらえることがあります。このとき、なるべくゆっくりゆったりのペースで話すと相手も落ち着きやすくなります。また、状況に応じて飲み物やお菓子を出すなど、場の仕切り直しをすることで雰囲気を変えることができます。「いろいろ話していただきありがとうございます。お疲れかもしれませんので飲み物でもご用意しますね」など、一声思いやりの言葉を添えると、相手も受け容れやすくなります。

4)仲直りの言葉(提案)

怒らせてしまった行動、怒ってしまった行動についてお互いに謝罪しあう、仲直りをしておきましょう。相手の価値観の正否や良し悪しではなく、あくまでも「怒り」に関する謝罪です。謝るときは、「でも、だって」など責任逃れと思われそうな言葉は遣わず、ハッキリと謝ることが大切です。今後も関係性が続く際は、改めてお互いに落ち着いた状態で、一緒により良い方法を考えることについて提案してみましょう。

5)その他

理不尽な怒りを向け続けられる、怒りがなかなか収まらない状態が長く続いている際、相手を驚かす(驚愕反応)ことも一時的に有効な場合があります。人は予期しないことに驚くと、防御反応として身構え硬直する反応が起きます。
怒っている人の前で、急に体調異変を訴えてみたり、無表情で「録音してますよ」と言ってみるなど、やや極端な例ではありますが、怒りを止めるきっかけには有効です。もちろん、そのあと前述の対処行動を意識して関係改善に向かうように努めます。

4.予防

関わる側としても怒る側としても、怒りに対する予防をおすすめします。

1)自分の捉え方を知る

・常識、善悪など、様々な自分の基準を知っておく
・イラっとくるポイントを知る
・感じやすい気もちを知る(孤独感、自己否定感など)

2)違いの受けとめ方をもっておく

・多様な価値観の理解
・イラっと来た時の対処法(場を離れるなど)

まとめ

怒りはあくまでも二次感情で、根っこの気もちである一次感情によって引き起こされます。また、根っこの気もちは自分自身の捉え方の基準(価値観など)が影響しています。
怒っている人への関わり方では、何について怒っているかだけでなく、なぜそのことで怒っているか、根っこの気もちや考え方を理解しようとする姿勢が大切です。理解するとは、相手を正当化することではなく、あくまでもどういう状態かをきちんと知るということ。怒りの原因をきちんと理解されると、怒りは必ずおさまると私は思います。
そのためにも、理解しようとする姿勢=具体的な関わり方を意識していただき、怒りから逃げるでも闘うでもなく、上手に向き合うことをおすすめいたします。

カウンセリングでは怒りの原因(気分や思考)の整理や確認、対処方法、予防などについて、ご一緒に考え見つけていただけます。コミュニケーション、関わり方についてお困りの際はカウンセリングもご活用いただければ幸いです。

仲直りの握手をする男女

ご予約・お問い合わせ

にじいと心理相談室は、生駒市、奈良市(北西部)、精華町(京都府)のカフェやご自宅、レンタルルーム・職場など、訪問での対面カウンセリングや、オンライン(Zoom)カウンセリングにて対応いたしております。ご利用しやすい環境をお選びいただき、ご相談ください。
※生駒市・奈良市・精華町は、カウンセリング料のみで訪問させていただきます。

ご予約はこちら お問い合わせ