奈良県生駒市の心理カウンセリング「にじいと心理相談室」です。
『ChatGPT誘発性精神病』というものを知っていますか?近年、生成AIの活用分野が拡がっています。便利で使いやすく利用されている人も多い中、その機能が心に与える影響について、取り上げられることが増えつつあります。
今回は、多くの方が利用されている「ChatGTP」による心理的影響について、カウンセラーとして考えてみたので、ご紹介いたします。どんな問題があるのか、有効な活用のためのポイントなど、ご一緒に考えていただければと思います。
※なお、上記病名については、医学的・科学的根拠においてまだ明確ではなく、様々な研究や分析が行われています。今回の内容は、より良い活用について考えてみた個人的見解であることをご承知ください。
ChatGPTと心理的影響
皆さんは、ChatGPTをどのように利用されていますか。私は情報や知識を得る目的として、利用していることが時々あります。少しの単語や話しかけるだけで検索でき、とても便利です。他にも、調べたものをまとめて文書化してもらえたり、情報だけでなく、意見(アドバイス)をもらえるなど、とても便利な反面、その回答の捉え方によって、心理的な影響があると考えられます。
1.ChatGPT誘発性精神病とは?
最近、知人からこの病名を教えてもらったのですが、様々な研究が進められている最中であり、冒頭の注釈(※)で記したように、学問的見解としては、まだ明確に正式なものとは言えないようです。そのため、今回ご紹介するにあたり、私が調べてみたものより、解釈したことをお伝えしますと、『ChatGPTを過剰に利用することで、過度な心理的悪影響を及ぼし、妄想や幻覚、通常では考えにくい解釈、現実と妄想の混同など精神病的症状があること』と、今の段階では解釈いたしました。
飲酒や薬物と同様に精神疾患を引き起こす要因として、ChatGPT(生成AI)が問題視されているということです。病気には至らなくても、心への影響について考えてみたので、ご紹介します。
2.ポジティブな心理的影響
1)孤独感がやわらぐ
肯定的な意見をもらえたり、いつでもすぐに答えてくれるため、身近な存在として、寂しさや孤独感を軽減してもらえることがあります。他者(人)と異なり、いつでもどこでも迅速に言葉をもらえることは、寄り添ってもらえているようにも受けとめられるので、淋しさや不安がやわらぐと思われます。
2)充足感・幸福感を感じやすい
肯定的な回答は、「自分を受けとめてもらえた」「自分が認められた」と捉えられると、自信につながったり、喜びや幸せを感じられます。また、否定や非難がないことによって、安心感が生まれ、ありのままの自分を正直に出しやすくなり、ストレス軽減や気もちの整理ができることもあります。
3)リフレッシュにつながる
ChatGPTの回答には、具体的な助言や対応方法も教えてくれるため、知らなかったリラックス方法など、新たな視点を持つことができ、より良い考え方や行動ができることもあり、リフレッシュや成長にもつながることもあると考えます。
3.ネガティブな心理的影響
1)依存状態になる
前述のようなポジティブを求めるあまり、ChatGPTへの依存度が高まる可能性が考えられます。他の情報や意見と比較できなくなると、周囲の人間関係がますます希薄化され、リアルな環境では、かえって孤立化してしまうリスクが考えられます。
2)思い込みが強まる
依存関係が深まるにつれ、他の意見を受け容れられなくなったり、間違いや誤解も正しいと認識してしまいます。また、偏った思想が強くなりすぎた場合、理想や虚構と現実の違いが曖昧になり、統合失調症にも見られる、妄想や幻聴が起こる危険も考えられます。
3)問題に向き合えなくなる(思考低下)
自分で考えることが減り、問題を受けとめ向き合って考える力が低下するかもしれません。また、迅速に回答するChatGPTと異なり、実際の人間関係では時間をかけながら相互理解することが求められるため、忍耐力も低下する可能性もあります。
4.ChatGPTのより良い活用方法
ここまで記したように、良い面と悪い面はあります。より良い活用を行うための留意点をまとめてみました。
1)求めるものを理解する
上記のネガティブな影響を起こす理由には、回答に求めるものが情報や知識だけではないことがわかります。
・さみしいから身近な存在がほしい
・認められたい、許されたい
・自分の考えに同意してもらいたい、共感してほしい、など
利用にあたり、自分がどんな気もちがあるのか、本当にもらいたいものが何か、本当の根っこの理由について、考えてみることが大切です。
2)批判的な視点、疑う視点を持っておく
偏った捉え方や感じ方のままでいることは、過度な信頼や誤解を生じる危険があります。同じ質問を、他のAIアプリの活用や、他者に尋ねるなど、異なる意見や情報がないか確認してみることも大切です。あくまでも、答えているのは人ではなく機械(システム)であること。感情理解がされたではなくここまでの情報をつなぎあわせたものであることを、改めて理解しておきましょう。
3)自分の性格傾向(クセ)を知っておく
人はそれぞれ考え方や感じ方のクセを持っています。
そのクセによって、反応しやすくなったり、強く受けとめやすくなることがあるため、その状態で利用する際は、依存や固執の予防として、利用頻度を減らす、時間を決めるなど対策をしておくと良いと思います。例えば、次のような性格のクセは影響しやすいかもしれません。
・周囲の意見を気にしやすい、他人と比較しやすい
・ふり返ると、良いことよりも嫌なことが多く浮かぶ
・ひとりで過ごす時間が多い
・「こうあるべき、~すべき」と考えやすい
・決めつけやすい(この人はきっと~な人だ、など)
・我慢しやすい、自己主張や気もちを伝えることが苦手、など
もともとクセが強すぎていなければ、普段は大きな問題になることは少ないと思います。しかし、置かれた環境によって、クセが強まってしまうことがあります。転校、留学、結婚や離婚、出産、就職、異動、昇進などライフイベントや、災害や事故など、特に人間関係における環境の変化があると、心は不安定になりやすく、感情の起伏も激しくなります。
クセは自分で気づかないものもあるので、日頃から周囲に「わたしってどんな人?」と確認してみることもお勧めいたします。
まとめ
本来、ChatGPTは、とても便利で簡易に使え、様々な素晴らしいメリットがあります。だからこそ、デメリットにならない使い方がとても大切です。
①今の自分の状態(環境・性格のクセ)を理解して使う
②利用方法や内容は、周囲の意見など他の客観的意見や情報とも確認する
今回私はブログを書きながら、中でも特に、孤独感が強いことが、ネガティブな影響を与えてしまうように感じます。安心が欲しい、認められたい、わかってもらいたい、それを周囲に求められない、もらえない環境だからこそ、デメリットにつながる利用をしてしまうのかもしれません。
カウンセリングでは、孤独感をやわらげ、より良い未来に向かってご一緒に考えることや、ご自身の性格のクセを確認したり、強まっている状態から緩めていくサポートも行わせていただきますので、ご活用いただければ幸いです。
今回のブログ記事を参考に、家族や友人、同僚など、ご自身と周囲の関係について話し合ったり、見つめなおす機会にしていただけると嬉しいです。
