ご夫婦や恋人、おふたりで受けていただけるカップルカウンセリングのご相談が、生駒市、奈良市など地域の方から増えております。カップルカウンセリングでは、関係改善を求める方が多くいらっしゃいます。中には、「些細なことばかりでどう話せばいいかわからなくて」と、カウンセリングを躊躇されていたお声もありましたので、今回はカップルカウンセリングとして、私がこれまで承ったご相談の中で、多くいただくものをご紹介させていただきます。ご検討の際、参考にしていただければ幸いです。
多くいただくご相談ランキング
「言い合いやケンカになって、二人では話し合いにならないから」と、その内容についてお聴きしていくと、多かったご相談になります。
1位(21.2%) 価値観の相違(家事・育児・親のことなど)
2位(17.3%) モラルハラスメント
3位(15.3%) 相手への接し方・気もちの持ち方がわからない
4位(13.5%) 異性関係
5位( 9.6%) アンガーマネジメント
※2025年2月までの砥綿カウンセラー相談実績より
1位.価値観の相違(家事・育児・親のことなど)
大きくひとくくりにしていますが、価値観にも、人生観・仕事観・教育観など、テーマもいろいろあります。また、交際中、結婚後、出産後など、ライフステージごとに考え方が変化することもあります。
ここ最近、特に多いご相談は、「お子様が生まれてから言い合いが増えている」といったご相談。お話しいただく事柄は、食器の片づけ方から子どもへの関わり方など、家事・育児にまつわる、相手への不満や疑問。お話しの多くはやり方の違いについてのお話しですが、その奥にあるのは家庭のあり方や子育ての姿勢など、大切な価値観です。
また、カウンセリングを進めるうちに、キャリア(仕事)の捉え方も不満の一因になっていることがあります。不妊治療や育児、介護をきっかけに、キャリア中断(離職・転職や休業・欠勤)をしている側が、自分は損していると感じられていることです。家庭を築くという同じ目的に向かっているはずなのに、時間制限や経済面など相手と比べて、不満や寂しさを強く感じることが、相手に厳しい言い方につながっていることもあります。
ご夫婦の関係性は、お子様や周囲にも影響することがあります。感情的な側面だけでなく、それぞれの大切な価値観や考え方を丁寧に伝えあうことは、周囲の理解や納得を得ることにつながります。
2位.モラルハラスメント
モラハラとも言われ、言葉や態度による嫌がらせと受け取られるものです。
このご相談の特徴は、モラハラをされている側はそう感じていても、相手側は認識がないケースが多いことです。ご一緒にカウセンリングにお越しいただいても、初めは「パートナーに言われたから来ました」と、カウンセリングを受ける理由や意味がはっきりわからず、カウンセリングの中で、相手が感じるモラハラについて、初めて知るといったケースもあります。
モラハラは、認識がないため、継続的に繰り返され、受ける側も段々と怖れや諦めを感じるうちに、言えずにいることで、悪循環の長期化を生じていることがあります。怒り口調でなくても「あなたは何も知らない、どうせできない」など、日常の中で、否定的な言葉を多く投げかけ続けると、言われる側は、今言われている部分だけでなく、自分のすべてを否定されていると感じるようになります。
まずは否定的な言葉を使いやすい傾向を知ることや、一部分をすべてと変換して受けとめてしまう状態に双方が気づく事から、改善は始まります。
3位.相手への接し方・気もちの持ち方がわからない
モラルハラスメントにもつながるところがありますが、相手の態度に戸惑いや、自分が何かいけないのではないかと他責だけでなく自責感を抱え、悩まれているご相談です。相手に対し、声をかけるか、黙って見過ごすかと悩みながら、自分の接し方が間違っているのではと、さらに悩まれるうちに、息苦しさを感じ、疲弊してしまい、コミュニケーションの悪化につながっていることもあります。
相手の問題を自分側に置き換えてしまう前に、客観的に捉え、どうしてそんな態度になるか、根本的な理由や、受けとめ方など改善を考えていくことが大切です。
4位.異性関係
浮気や不倫、異性の友達との関わり方へのご相談です。
ご相談の多くは、過去の出来事で、その受けとめ方がお互いに異なっている状態から、今のコミュニケーションに問題を生じているご相談です。片方は”過去”として受けとめ終わっていることが、もう一方はまだ過去の気もちのまま”今”に続き、さらに”未来”の不安にまでつながってしまっているケースが多くあります。過去として終わっている側からすると、いつまでも言われ続けることへ苛立ちや、対処がわからず、葛藤に苦しまれています。今、未来にも続いている側は、悲しさや寂しさなど、いつまでもくすぶり続けたままで、おふたりどちらも苦しまれています。
また、異性の友達との関わり方について、考え方の違いと嫉妬心が絡み合い、おふたりの中で問題になっているケースがあります。状況によっては束縛と捉えられ、ハラスメントにつながる可能性も出てきます。
異性関係のご相談では、事柄(出来事)と感情(気もち)、捉え方を、過去・今・未来の時間で分け、丁寧に確認していくことが大切です。特に感情は、恥ずかしさや悔しさなど、出しづらいものもあるため、心の状態に合わせながら、受けとめていくことが必要です。
5位.アンガーマネジメント
アンガーマネジメントのご相談も、ここ最近増えてきているご相談です。カップルカウンセリングだけでなく、個人カウンセリング(おひとり)や法人カウンセリングでも増加傾向に感じられます。
特徴的に最近感じられることは、カウンセリングにいらっしゃるおふたりは、モラハラのケースとは異なり、ご本人が認識してご相談にいらっしゃることです。パートナーなど周囲に言われ、「ふり返ると確かに怒りっぽい、激しい口調になりやすい」とご本人も感じ、中には、専門書などで学習もされているのですが、なかなか変わらないため、ご夫婦そろって改善していきたいとお越しになります。
感情のコントロールは、意識的な実践トレーニングが必要だと考えます。一般論に限らず、ご自身が取り組みやすい、納得しやすいやり方を考える必要があります。また、一緒に取り組むパートナーがいらっしゃることで、ひとりでは気づけないことも気づいてもらえたり、変化を喜んでもらえる人がいることは、取り組む意欲や励みにつながるので、カップルカウンセリングで受けていただく方は、効果が出やすいように感じます。
カップルカウンセリングは、おふたりで受けていただくことによって、お互いの気もちや考え方を整理し、理解し、尊重しあう関係づくりを目指しております。感じ方・考え方が違うからこそ、向かう方向性がずれてしまうことは、自然なことです。だからこそ、丁寧に確認しあうことが、より良い関係でいるために、とても大切なことだと思います。
また、ひとりの人(個人)としてご自分を理解していくことも必要です。考え方や感じ方、ご自身を理解することは、他者を理解することにつながります。自己理解・他者理解そして相互理解に向かっていけるよう、個別のお時間やご一緒のワークなど、ご相談者様に合わせたやり方を検討、提案させていただきますので、ご一緒に考えながら、より良いおふたりの関係を見つけてまいりましょう。
