にじいと心理相談室 奈良

    • 2025年3月14日
    • 相談事例
    • 職場

職場の悩み ①人事異動の不安

 社内の異動や社外への出向など、人事異動に感じる不安についてご相談をいただくことがあります。今回は、異動にまつわるご相談についてこれまでの事例と、それぞれの不安な心への対処例をご紹介いたします。

1.今までと担当する仕事内容が変わる

 異動によって、職種(営業/事務/販売など)や、担当先(個人・法人/世代層・年齢など)が変わり、仕事内容が大きく変わるケースがあります。外回り営業していた人が内勤仕事になる、受け持っていた顧客対象が若者世代から高齢者層に変わるなど、これまでの仕事と異なり、働く自分のイメージがしづらいことで、不安を大きく感じやすくなります。

1)できるかどうか心配

 異動によって、新たに知識やスキルを勉強しなおさないといけない場合もあります。異動や入社後のご相談で多いものが、自分ができるのか不安というご相談です。
 ・子育てと家事で忙しく、そもそも勉強する時間がつくれるか不安
 ・体力も集中力も落ちてきたから覚えられないんじゃないか心配
 ・異動先でちゃんと教えてもらえるのか、指導体制に対する不安がある、など
 世代によって、個人の年齢や環境が関わるものや、若手の方に多いのが、異動先の指導体制への不安があります。

 できるか不安・心配について、心の奥に問いかけてみてください。どうして心配なんでしょう?できないとどんな事態になるのでしょう?もしかすると、捉え方(認知)のクセが出ているかもしれません。例えば、
 ・べき思考:~じゃないといけない、できて当然
 ・拡大解釈:ちょっと良くない結果も最悪なことのように大きく捉えてしまう、など
 捉え方のクセが強すぎると、不安を増長させていることもあります。問いかけた答えを書き出し、ご自身のクセを冷静に確認してみると、思っているよりも大丈夫なことが見つかると、安心につながります。

2)今の仕事を下ろされることに不満

 異動への不満を伺うこともあります。今の業務に長期携わっている方の中には、今さら別の仕事をさせられる、今の仕事を下ろされると、強い不満や悔しさを感じる方もいます。そこには、これまでの仕事に対する意義や、やりがいをお持ちであるため、そのプライドを傷つけられた、否定されたように感じていらっしゃるのかもしれません。

 不満やその悔しさを、ひとりで抱えて消化できずにいると苦しい気もちが消えにくいことがあります。まずは誰かに聴いてもらうことをお勧めいたします。想いを受けとめ理解してもらう、肯定してもらえることで、心が軽くなりますよ。

2.新しい人間関係

 異動先の人間関係に不安を感じる方もいらっしゃいます。知らない人の中にいくことの不安もあれば、既に異動先に苦手意識を感じる人がいるとなれば、憂鬱な気もちも生じます。

1)厳しいと評判の上司がいるので怖い

 どの人の下で働くか、直属となる上司や先輩は、同僚の中でも大きな存在です。相性だけでなく、先に記したように、指導してもらえるのか、子育てとの両立に理解があるかなど、仕事の遂行に影響することも不安材料になっているケースがよくあります。
 最近は職場内でパワハラの教育は増えていますが、大きな声で叱責することがなくても、話を聴いてくれない・説明してもらえないなど、消極的なコミュニケーションが、冷たさや否定的に受け取られ、厳しい・怖いといった印象につながっていることもあります。

 不安の強さから、相手に対するイメージが膨れ上がりすぎていることもあります。まずは、聴いた話やこんな人ではないかと相手の人物像を書き出してみると、漠然とした不安が具体的に見えてきます。事実がわからないものがたくさん混ざっていることで、『○○な人』とレッテルを貼ってしまっているかもしれません。これから確認してみようと、心構えをもつだけでも、過度な不安は収まることがあります。

2)既にできているコミュニティに入れるか心配

 異動先の既にできているチームに、自分がなじめるか、受け入れてもらえるか心配、不安というご相談です。これまでのご相談では、初めて異動経験される若手の方や、管理職として異動される方からのご相談が多いように感じます。この相談は、休職などの復帰時や採用後の配属でもよくあります。
 仕事によっては、協力して行うこともあれば、なおさら周囲との連携は重要なポイントですよね。

 相手に良く思われたい、肯定されたい、受け入れてもらいたい、理解されたいという他者からの承認欲求は、仕事に関わらず、自然な欲求です。その際、つい相手(他者)ばかりに意識が向きすぎると、自信喪失や思い込みにもつながりやすくなります。不安が大きいと感じられた際は、自分のリソース点検をされてみることをおすすめします。
 ・I have:持っている(応援してくれる家族がいる)
 ・I can:できる(細かいことに気が付くことができる)
 ・I am:~な私、~である(他者には親切な人間である)、など
 仕事に限らず、人生の中で何か必ず良いもの・素敵なところはあるはずです。異動というイベントに困惑して、見失いかけているだけなので、落ち着いて確認してみましょう。見つかりにくいときは、家族や友人など、身近な人にも教えてもらうと見つかります。

 今回は人事異動にまつわるご相談事例について、ご紹介いたしました。
 人事異動は、人生のステップとして自分をレベルアップ・成長させる機会でもあります。今回ご紹介した異動前に感じる不安やネガティブ感情は、ひとつめのステップとわたしは思います。自分の捉え方のクセを知る、リソースを確認するなど、ご自身に向き合うことで、ひとつレベルアップされるのです。どんな方も、必ず素敵なものを持っているし、できることがあるし、大切なひとりの人です。ご自身を活かして、より良く次のステップに歩まれることを応援しております。

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