夫婦関係のご相談、どこに相談すればいいかわからない方が、カウンセリングにお越しくださることがあります。
ひと言で相談先といっても、自治体など地域の相談窓口、NPOなど相談対応団体、弁護士、警察署など、それぞれの状況に応じて、様々な相談窓口があります。相談先によって、迅速な対応をいただけることや、解決まで導いていただける先もあります。
ここでは、カウンセリングを相談先に選んでいただく理由について、これまでのご相談者様のお話しから考えてみましたので、相談先に悩んでいらっしゃる方は参考にしていただければと思います。
1.そこまで大きな問題じゃない(状況確認・整理)
地域など、相談窓口の中には、悩み(問題)の内容ごとに役割や担当が分かれていることがよくあります。夫婦関係で調べてみると、女性相談の窓口もあり、DVやモラハラ対応もしていただけるようです。緊急性の高い状況では、行政など具体的な措置も講じていただけるので、環境改善を明らかに求められる方は、そのような相談先へ行かれると良いのですが、カウンセリングにいらっしゃるご夫婦のお話しで仰るのが「そこまでのことではない」場合です。
・保護を求めないといけないほどのハラスメントではないと思う
・離婚を考えないわけではないけれど、まだそう決めたわけでもない、など
おふたりにとって、そこまで明確な問題、大きな問題として捉えていらっしゃらない場合は、環境改善を求める前の段階なのかもしれません。
すぐケンカになる・言いたいことが言いづらいなど、「何で?」を知るために、今の自分や相手について、環境(状況)だけでなく、気もちや価値観などを確認・整理するために、カウンセリングを活用いただけているように感じます。
2.しっかり聴いてもらいたい(共感)
ご相談窓口では、専門資格をお持ちのスタッフの方に対応いただける場合があります。課題解決のために、様々な知識や方法を教えていただけます。そのため、あれもこれもと提案いただいたり、この方法が正しいですよと、発信が多くなりがちなケースも耳にします。スタッフ側からすると、「その方のために」という、強い思いやりや責任感からのご提案であることがわかります。
ただ、発信が多いということは、受信、聴くことがやや少なくなることもあるのかもしれません。ご相談者様のお話には、状況だけでなく、不安や不満の感情、こうしないといけないという強い価値観も含まれます。特に、悩まれている方は、気もちが相手や周囲に理解されづらいことへの苦しみを抱えていらっしゃる場合もあるので、カウセンリングでは、今の気もちをしっかり受けとめることを大切に考えます。困っている状況・事柄だけではなく、気もちをしっかり理解してもらえる=しっかり聴いてもらえるという理由から、カウセンリングに訪れていただいているように思います。
3.お互いを知りたい
カウセンリングのご相談の中では、「相手がよくわからない」「自分の何が悪いのか知りたい」そう感じる皆さまにカウンセリングを活用いただけているように思います。これまでに記したように、カウンセリングでは、状況だけではなく、気もち(感情)や考え方(価値観など)についても、カウンセラーが受けとめることや確認・整理を行わせていただきます。そのため、カップルカウンセリングでは、ご自身についても相手についても、お互いをより深く知ることにつながります。
今までは気づかなかった点、何となく感じた違いが明瞭になるなど、これまでとは異なる気づきが出てまいります。そのことで、今後の向き合い方やコミュニケーションの工夫など、おふたりにとって、そしてご自身それぞれにとって、より良い未来と、そのための道筋を具体的にご一緒に考えていただくことができます。今の状況改善だけでなく、もう少し先の未来も見据えた、これからの人生のアクションプランをつくることも含め、カウンセリングがおふたりのお役に立てればと思います。
ご夫婦の悩み・問題は、ちょっとしたことの積み重ねから、様々な不満や要因をはらんでいることがあります。いつの間にか、ボタンのかけ違い、こんがらがった糸と例えられるように、おふたりだけで気づいて解決することは難しい場合があります。また、誰かに相談といっても、同僚や友人、身内の家族にも話しづらかったり、そもそも何から話せばいいのかわからないこともあります。
カウンセリングは、どちらの味方・敵ではなく、ふたりでひとつの家族として、そして、それぞれ大切なひとりの人として、個と夫婦(家族)の両面を捉えながら、より良い未来をご一緒に考えさせていただきます。相談窓口のひとつとして、カウンセリングという居場所があることも、お心に留めていただければ嬉しいです。
当相談室のカップルカウンセリングについて、詳しく知りたい方は、こちらよりご覧いただけます⇒カップルカウンセリング/にじいと心理相談室
