職場のことで悩んでいませんか?
日本には約18,000以上の職業(業種)があると言われています(厚生労働省:職業分類参照)。総務省の2024年11月に発表されている統計では、就業者数は6,813万人。日々、誰かのために励んでくださっている人々です。働く中で、仕事を通して、喜びや充足感などポジティブに感じられるものがあるように、辛さや疲労感などネガティブな感情も、感じることがあります。
厚生労働省の行った労働安全衛生調査(R5年)では、仕事や職業生活に関する強い不安・悩み・ストレスの有無について、82.7%が有るとされています。内容として上位には、「仕事の失敗・責任の発生等」「仕事の量」「対人関係」など発表されています。
では、職場で感じる悩みやストレスに対して、働く個人はどのように解決・改善すればいいのでしょうか。今回はそのための相談先について、一部ご紹介させていただきます。
1.家族、友人
冒頭に記した厚生労働省の調査では、最も相談先として選ばれているのは、家族・友人です。話しやすい、信頼できる、親身に聴いてもらえる、自分と最も近い人、最も長い関係の顔が浮かぶことは、とても自然なことですね。
家族や友人に悩みを聴いてもらうことは、大きな安心感に包まれながら、自分とは異なる意見にも耳を傾けやすいかもしれません。職場の悩み以外でも、一番安心しながら話せる相手は直接的な解決をしてもらえなくても、心を落ち着かせてくれたり、気もちの切り替えを手助けしてくれる大切な相談先です。
2.同僚
職場の悩みの相談先として、統計結果で次に多いのは、同じ職場仲間です。冒頭に記したように、仕事の失敗や仕事量の悩みは、担当する仕事をよく知ってくれている相手であれば、理解や共感をしてもらいやすいかと思います。失敗への励ましだけでなく、先輩など経験者であれば、具体的な対応アドバイスをもらえることもあります。悩みの状況によっては、解決や改善の近道になりそうですね。
家族や友人は気心知れているため、関わり方も頑張る必要はないかもしれませんが、職場の同僚の場合は、日頃から、積極的に自分から関わる姿勢によって、相談しやすい関係を築くことにもつながります。お互いに相談しあえる職場は、風通しの良い環境ともいえますね。
3.上司
昨今は、ハラスメント話題も聴きますが、上司は部下を管理することも大切な役割のひとつです。仕事の進捗状況やチームの雰囲気など、業務達成のため、部下と関わることは必要なことです。特に、職場に関する悩み(ミス・分担量など)は、統括する立場として対応することとなります。仕事の決定権をもつ上司へ相談することは、個人の悩みの解決だけでなく、他の同僚を含む職場改善にもつながることがあります。また、身近な同僚との人間関係に悩む際、上司に相談することで、当事者同士ではわかりあえていない視点に気づき、相手への理解につながることもあります。
評価を気にしたり、今後の仕事への支障を心配して、上司への相談をためらうこともあるかもしれませんが、最近の上司(管理職など)の方は、ハラスメントやコミュニケーションなど部下のマネジメントについて学ばれる方が増えています。信用して相談してみると、思っているよりも不安は解消されることもあります。相談先のひとつとして、心強い上司の方が、これからもそれぞれの職場に増えていってほしいですね。
4.職場の相談窓口
最近はメンタルヘルス対策に、社内相談窓口を設置されている組織・団体が増えています。窓口には専任担当者・人事担当者や、専門スタッフ(産業医・保健士・看護師・カウンセラーなど)を配置されているところもあり、組織的に整備が行われている職場もあります。
また、最近増えつつあるのが、社外相談者です。にじいと心理相談室でも承っておりますが、職場の外にいる心理専門家(カウンセラーなど)が従業員や経営者の方のご相談を受ける方法です。社内の人には言いづらいことを相談しやすいことや、心理専門家に相談することでしっかりと聴いてもらえる安心感や納得感を得られ、直近の悩み以外の課題も改善する機会になることが、メリットとしてあります。職場側との契約であることから、人事に漏れるのではと危惧されることもあるかもしれませんが、にじいと心理相談室では、カウセンリング内容については守秘義務として詳細の報告はしない旨、ご契約の際、ご了解いただいております。
職場の相談窓口は、周知があまりされていないこともあり、身近な相手ではないかもしれませんが、本気で悩みを解決・改善しようという気もち、考えを持つ方々がいらっしゃいます。家族ではないかもしれませんが、親身になって聴いてもらえる相談先のひとつです。ご自身の職場の相談窓口がどういった体制か、確認してみてくださいね。
上記以外にも、国・自治体の相談窓口や医療機関・地域カウセンリングなど、対面以外にも電話やチャット、オンラインなど、様々な相談窓口があります。どんなところがあるか、自分に合いそうな相談先を探してみてはいかがでしょうか。
悩みを相談することは、解決・改善への一歩を、すでに踏み出したということ。悩みに寄り添い、相談を聴いてくれる方は身近な場所や少し離れたところに、きっといます。ひとりで抱え込んだその重荷、一緒におろしてもらえばいいんです。
にじいと心理相談室では、法人(事業所)様向けのメンタルヘルスサポートや、個人の方向けに個別カウンセリングも承っております。相談先のひとつとして、奈良・生駒の空の下にこの【にじいと心理相談室】があることも、覚えておいていただければ幸いです。
